老後資金の調達に自宅を上手に活用したいという場合、例えば、銀行や信用金庫が取り扱う「リバースモーゲージ」があります。
簡単に言えば、自宅を担保に老後資金を借りるというものですが、大きな特徴は、死後に遺族が自宅を売却して一括返済するという点(返済額を超える売却額分は相続される)。自宅を子どもなどに遺さなくていいということが前提ですが、住み続けながら、自宅を現金化できるため、ここ数年、その利用者は増加しています。
借入れ限度額は金融機関によって異なりますが、目安としては土地・家屋の評価額の50%〜80%。必要なときに限度額の範囲内で何度でも引き出して使うことができ、その際、面倒な手間も要りません。
以前は、評価額の高額な物件に限られていましたが、最近は担保評価1000万円以上と利用しやすくなりました。一戸建てだけでなく、マンションでも利用可能です。
注意点として、まずは長生きリスクがあります。想定以上に長生きすれば、借り入れた資金を使い切り、途中で老後資金が不足してしまう恐れも。無計画に使わないことが重要でしょう。
また、利息は変動金利が一般的。途中、金利が上昇すれば、利息負担は重くなります。さらに、地価が大幅に下がれば、借入残高より担保評価額が低くなる「担保割れ」になることもあり、その場合、差額分を返済しなくてはなりません。借入額を抑え気味にするといったことで、事前に対処しておくことも大切です。