50代からの個人型の確定拠出年金に加入する場合、受給できる年齢についても知っておく必要があります。原則60歳になると積み立てた資金の受け取りが可能ですが、そのためには60歳の時点で通算加入等期間が10年以上必要だということです。
相談者は55歳ですから、個人型、企業型ともに今回初めての加入となれば、60歳になる時点でその要件を満たすことができません。このような場合、受給できる年齢が引き上げられます(表参照)。55歳から加入し、通算加入等期間が5年の場合、受給できるのは63歳以降となるわけです。
しかし、実際に受給を開始する年齢は、受給可能年齢から75歳までの間で自由に選べるため、受給可能年齢が引き上げられることを事前にわかったうえでしっかりと老後のマネープランを立てれば、それ自体はデメリットとはなりません。
例えば、相談者の場合、定年後に再雇用で65歳まで働くということを予定しているため、65歳から受給を開始するという選択肢もあります。
また、主に投資商品で増やすことを目的とするなら、資産が目減りしてしまうリスクも当然抱えることになります。株価などの急落で大きく資産を減らしても、運用期間が10年、20年と残っていれば十分に取り戻す時間はありますが、受給開始年齢が近づくとそれも難しいと言わざるを得ません。
したがって、とくに値動きが大きくなりやすい株式投信(主に株式に投資する投資信託)の比率を減らし、安定した債券投信や預貯金の配分を増やしていくというのも、リスク回避のひとつの方法です。