Q.金融商品でよく言う「リスク」とは何ですか?

<私、悩んでいます>

まだ、給与は低いのですが、将来に向けて少しずつ投資をしてみたいと考えています。ただし、気になるのが「投資商品にはリスクがある」ということ。それは損をしてしまうということなのでしょうか? また、なぜリスクが起こるのでしょうか?(男性/24歳)

ファイナンシャル・プランナーからのアドバイス

  • リスクのある商品には、リターンを得られる可能性がある
  • リスクが大きいほどリターンも大きく、リスクが小さいほどリターンも小さい
  • さまざまなリスクの性質を知ることは投資を行ううえで大切
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リスクとリターンは比例する関係

投資における「リスク」とは何でしょうか。多くの人が「元本が減る」「損をする」と考えているかもしれません。確かに、言葉としてはそのような意味での使われ方が一般的です。しかし、金融商品の性質として、それはリスクの持つ一面に過ぎません。「リスクのある商品」には損失を出す可能性がありますが、同時に利益=リターンを得られる可能性もあるからです。

本来、リスクとは「不確実性」を表しています。相反する損失と利益、そのどちらに振れるかがわからないということ。その不確実な「ぶれ」がリスクの本質であり、それが大きいほどリスクも大きいと言えるのです。

また、金融商品のリスクとリターンは、比例する関係にあります。つまり、リスクが大きいほどリターンも大きく、逆にリターンが小さいほどリスクも小さくなるということ。一般には、株式が「ハイリスク・ハイリターン」、預貯金や債券は「ローリスク・ローリターン」と位置づけられています。そして残念ながら「ローリスク・ハイリターン」といった商品は存在しません。自分はどの程度のリスクを取ることができるのか。それを判断することが投資では重要な作業となるわけです。

リスクにはさまざまな種類がある

しかし、リスクと言っても、その要因や中身は一様ではありません。どのような商品にどのようなリスクが起こるのか、それを知っておくことは投資をする上でとても重要です。

まず、代表的なものとして「価格変動リスク」があります。例えば、株式市場では株価は刻々と変動しています。購入後に値下がりをすれば、損失を抱えます。対して、購入した価格を上回ったとき(売買で発生する手数料等は考慮せず)に売却すれば、利益を得ることができます。株価の変動は、企業の業績や新商品の開発・発売、業務提携や市場ニーズの変化など、さまざまな要因があります。

次に「信用リスク」です。もしも、社債を発行している企業が倒産したらどうなるでしょうか。社債は購入後、数年間の償還期間を経て、あらかじめ決められた期日に購入代金が全額払い戻されます。保有している間は一定の利息を受け取ることもできます。しかし、それもその企業が倒産しないことが前提です。倒産後は元本が戻らない可能性があります。

この他、外貨建て商品に発生する「為替リスク」や、外国株式や外国債にともなう「カントリーリスク」などがあります。

しかし、リスクは何も投資商品に限っているわけではありません。例えば、元本保証で安全な金融資産と言われる預貯金にも、「金利変動リスク」があります。定期預金は満期まで預入時の金利が適用されますが、もしも、預け入れ期間中に金利が上昇すれば、市中金利より低い金利で預け続けることになるわけです。