Q. 毎月しっかり貯蓄をしたいけど、なかなかできません

<私、悩んでいます>

「就職して4年目を迎えます。贅沢しているつもりはないのですが、次の給料日の数日前にはすっかり消えているというのがいつものパターン。不足分はボーナスの残りで穴埋めしているという状況です。どうすれば毎月、計画的に貯蓄できるでしょうか?(26歳/男性)」

ファイナンシャル・プランナーからのアドバイス

  • 貯蓄は「先取り」が基本。貯蓄分を差し引いた残りで生活をやりくりする
  • 定期・定額で積み立てられる商品の活用も検討しよう
  • 貯蓄は継続性が大事。無理のない積立額を設定しよう
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「先取り貯蓄」の習慣付けがポイント

家計における貯蓄の基本は「収入-貯蓄=生活費」。すなわち、先に貯蓄分を引いてしまう、「先取り貯蓄」を実践することです。そして、残った資金=予算で生活をやりくりするよう家計管理をしていく、その習慣付けがとても重要です。

そこで大事になるのが、毎月積み立てる貯蓄額の設定です。より多く貯めようと毎月の積立額を高めに設定し、それで生活費が足りなくなっては意味がありません。そこで、たとえば、月3万円を積み立てると決め、数カ月試してみる。それで家計がやりくりできそうなら、そのまま続ける。厳しいようでしたら、1万円下げてまたトライしてみましょう。家計管理が慣れてくれば、また金額を引き上げればいいのです。

もっとも避けたいのは、一度やりくりが失敗したことで「自分には無理」と決めつけ、貯蓄そのものをあきらめてしまうこと。定期・定額で積み立てていくことが、もっとも重要なポイントです。

給与振込みの口座からの自動振替が効率的

その貯め方ですが、とくに貯蓄習慣のない人の場合、給与からの天引き貯蓄や積立定期預金の利用がおすすめ。手間いらずで、毎月一定額をきっちり貯蓄してくれる定期・定額であるのが大きなメリットです。

給与天引き貯蓄の代表が、会社員や公務員が利用できる「財形貯蓄」。「一般財形貯蓄」「財形年金貯蓄」「財形住宅貯蓄」の3種類があり、税制面の優遇や融資制度などもあります。ただし、勤務先がその制度を導入していなければ利用できませんので注意してください。

一方、積立定期預金はほぼすべての金融機関で利用できます。給与が振り込まれる普通預金からの自動振替にすれば、より効率的。毎月の積立額は5,000円以上、もしくは1万円以上が一般的です。

つみたて型の運用商品もあります

貯蓄ペースをしっかり維持することができ、貯蓄額がある程度まとまってきたら(生活費の半年~1年分)、将来のための資産形成として、一部を運用商品に充てることを考えてみましょう。その際、少額から始められ、毎月定額の投資信託を購入する積立投信など、定期・定額で投資する商品も考えられます。

もちろん、運用商品は貯蓄商品と異なり、価格が変動するリスクがあります。しかし、若いうちから始めて投資期間を長くする長期投資をすることで、時間を味方にして価格変動リスクをある程度抑えることができますし、また複利効果も期待できます。つみたてNISAiDeCo(個人型確定拠出年金)といった税制優遇制度を活用することも、上手に運用をしていく大事なポイントでしょう。