ディスクロージャー誌で健全性を見抜く!

銀行の健全性を推し測るための指標はいくつかあります。主なものには「自己資本比率」、「格付け」、「不良債権の残高」などがあります。なかでも「自己資本比率」は最も重要と言われています。

ディスクロージャー誌のココで健全性がわかる!

大事なお金を預ける銀行に万一のことがあっては困ります。銀行は健全性の指標となる情報を公開しているので、預ける側は自分で判断する必要があるのです。

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自己資本比率とは、信用リスク・アセット(総資産のうち、貸し倒れの可能性がある資産)等に対して資本金などの自己資本がどれくらいあるかを示す指標のことです。

多額の貸出金の回収ができないというようなことになると大きな費用や損失が発生してしまい、その損失を収益でカバーできないような場合には、自己資本を取り崩して処理することもあります。

自己資本が大きく減ってしまうと、万一の事態に備えた銀行の体力が弱まることになり、経営にも影響する可能性があります。このため、この数値が銀行の健全性を表す指標となっています。

「不良債権残高」は減っている?増えている?

不良債権の残高が大きければそれを処理するための費用や損失が大きくなり、それを収益でカバーできないような場合には自己資本を取り崩して処理する事態もありえます。このため、不良債権の残高に関する情報は重要です。

また、残高をみる際には、貸出金の規模(残高)に対して不良債権の残高の割合(「不良債権比率」=金融再生法開示債権残高/総与信残高)が大きくないかといった点にも注目すると健全性についてより適確に判断できるようになります。

「格付け」でわかることとは?

格付けとは、資金調達のために債券等を発行する会社が負う金融債務の履行能力および個々の債務(債券やローン等)の支払いの確実性を、簡単な記号により表示したものです。
債務履行能力が高い順にAAA(トリプルA)、AA(ダブルA)、A(シングルA)、BBB、BB、B、CCC、CC、C、D といった表示がなされます。