ディスクロージャー誌で収益性を知るには

銀行の収益性を知るための手がかりとしては、「業務純益」、「利ざや」、「経費率」などがあります。それぞれに大切な情報ですが、なかでも業務純益は収益の大きさを知るうえで重要です。

業務純益で銀行本来の業務実績がハッキリわかる

業務純益とは、銀行本来の業務によって稼ぎ出した利益のことです。

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銀行の収益の大きさを表す業務粗利益から、人件費や物件費などの経費を除いたもので、銀行の収益力を知るための指標のひとつです。
また、銀行本来の業務範囲の考え方により、実質業務純益やコア業務純益等の指標も利用されています。なお、業務純益等の指標は銀行法で定められた開示項目として、銀行の統合報告書・ディスクロージャー誌等で開示しています。

「利ざや」でわかることとは?

利ざやとは、例えば、総資金利ざや(「貸出金利などの資金運用利回り-預金金利などの資金調達原価」)のことです。

預金と貸出は銀行の代表的な業務ですから、そこから生じる収益(貸出金利息-預金利息)は銀行の収益全体のなかでも非常に大きなウェイトを占めています。
したがって、預貸金利ざや(「貸出金金利-預金金利」)は、銀行の収益全体に大きな影響を与えることになり収益力を判断するためのポイントなのです。

「経費率」でわかることとは?

収益性を判断するうえで、経費の占める割合も重要です。
いかに少ない経費(人件費や物件費など)で大きな利益をあげているかがわかれば、どれだけ効率的な経営が行われているかということがわかります。経費率の計算は以下の通りです。

【経費】÷【業務粗利益】×100=経費率

これをみることで効率性の度合いを知ることができます。
経費、経費率は銀行法で定められた開示項目ではありませんが、多くの銀行がディスクロージャー誌のなかで開示しています。