Q. 教育費はもう準備を始めた方がいいですか?

<私、悩んでいます>

「半年前に長男を出産いたしました。初めての子どもということで、子育てに試行錯誤の日々を送っていますが、それとともに気になるのが教育費の準備です。早めに始めた方がいいとよく聞きますが、本当に生まれてすぐがいいのでしょうか。また、その場合、その目標額や準備方法も教えてください(女性/22歳)」

ファイナンシャル・プランナーからのアドバイス

  • 教育資金はその準備が早いほど家計負担は少ない
  • 高校まで公立なら家計から捻出、準備すべきは大学費用
  • 児童手当はそのまま積立へ。目標額の目安は私立文系で400万円
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教育資金は「準備しやすい」資金

子どもが生まれたらすぐに教育資金づくりを始めることは、家計管理の上でもメリットがあります。早いスタートは、それだけ貯める期間が長くなるため、少ない家計負担で大きな額を準備できるからです。また、教育資金は必要な時期と必要な額が明確なので、計画的に準備しやすいという特徴があります。早めに準備をしておけば、途中資金不足で慌てることも少ないはずです。

家計における教育資金づくりは、多くの場合、大学費用の準備を指します。つまり、高校まで公立であれば、そこまでの教育費は事前に用意するのではなく、日々の家計から捻出するということです。
では、その大学費用とはどのくらいでしょうか。進路や個々の大学によってその額は異なりますが、入学金と4年間の学費等の平均額を紹介すると、国立大学で約240万円。私立であれば文系は400万円ほど、理系(医歯系を除く)では540万円ほど(※1)。当然、進路はまだ未定でしょうから、とりあえず400万円をひとつの目標額としてはどうでしょう。

0歳から貯めれば「児童手当+月1万円」でOK

次に教育資金の貯め方ですが、まず児童手当を生活費に組み込まず、教育資金として積み立てます。現行の制度であれば、中学卒業までに1人約200万円が貯まります。さらに毎月1万円を0歳から積み立てれば、18年間で216万円。これを合算すれば、目標額はクリアとなるわけです。
ただし、中学もしくは高校から私立に通う場合、当然かかる教育費はアップします。私立中学は3年間で約400万円、私立高校は約300万円(※2)と、いずれも公立の2~3倍。もちろん、そのためには教育資金の貯蓄ペースを高める必要がありますが、それで家計に過度の負担がかかるのは避けたいところ。住宅購入時期や、子どもが複数の場合、それぞれの進路なども考慮した上で、どの程度教育費を用意できるのかを十分考えるべきでしょう。

貯める商品としては、給与天引きによる一般財形貯蓄や、普通預金から自動振替で積立定期預金が便利でしょう。教育資金用として、口座をしっかり分けて管理することも忘れずに。また、学資保険を利用するのであれば、掛けた保険料の総額より多い満期金が受け取れる、貯蓄性のある商品を選んでください。

(※1)文部科学省「国立大学等の授業料その他費用の省令」「私立大学等の令和元年度入学者に係る学生納付金等調査」より
(※2)文部科学省「平成30年度子供の学習費調査」より。なお、高校の教育費は「高等学校等就学支援金制度」を反映した額