平成30年9月28日(金)13:10~14:00

兵庫県立姫路商業高等学校 商業科(5時間目)

 5時間目は、将来を見通した生活における経済の管理や計画について考え、投資に関する基礎的な知識や概念を習得することを目的とした授業が行われました。

 授業のはじめに先生は、資産形成とはどのようなことだと思うか尋ねました。生徒からは回答が出なかったため、先生は「ここで言う『資産』とはお金のこと」と説明し、本時は投資に関する知識を深めることを目標に、投資を疑似体験してみることが伝えられました。

 まず、ある雑誌で発表された「世界の長者番付トップ10」に誰が入るか、班ごとに考えるよう指示がありました。生徒からは「ビル・ゲイツ」、「Appleの社長」、「Amazonの社長」など、世界的に有名な会社の社長などの名前が上がりました。そして各班から一通り回答が出たところで以下のとおり正解が発表されました。

 1位 ジェフ・ベゾス(アマゾン・ドット・コム)/1,600億ドル
 2位 ビル・ゲイツ(マイクロソフト)/970億ドル
 3位 ウォーレン・バフェット(バークシャー・ハサウェイ)/883億ドル
 4位 マーク・ザッカーバーグ(フェイスブック)/610億ドル
 5位 ラリー・エリソン(ソフトウエア事業)/584億ドル …

 1位から順に発表されると、生徒も聞いたことがある名前があったようでしたが、3位のウォーレン・バフェット氏については、どのような人物か知らない生徒が多かったため、先生から「コカ・コーラ社やアメリカン・エキスプレス社に投資をしていることで有名な投資会社の会長などを務めている人です」と説明がありました。そして、1位のジェフ・ベソス氏や2位のビル・ゲイツ氏等の会社との違いとして、商品を売ったり、サービスを提供したりするのではなく、他の会社に投資することで利益を得て資産を増やしていることも補足されました。
 次に、日本の資産家について考えていきました。班ごとに話し合い発表していきました。生徒からは「孫正義氏」、「秋元康氏」などテレビでよく聞く名前や有名人、「ニトリ」、「ユニクロ」、「楽天」など企業名がありました。日本人の資産家についても上位から、以下のとおり正解が発表されました。

 1位 孫正義(ソフトバンク)/2兆2930億円
 2位 柳井正(ファーストリテイリング)/2兆210億円
 3位 佐治信忠(サントリーホールディングス)/1兆8,850億円
 4位 滝崎武光(キーエンス)/1兆8,430億円
 5位 森章(森トラスト)/6,910億円

 続いて、本時の目的である投資について考えていきました。
 
 貯蓄と投資の違いについて、シリーズ教材お金のキホン アクティブラーニング型授業プログラムガイド 資産形成編 授業用スライドの「貯蓄と投資の収益比較」を使って考えていきました。「貯蓄」のグラフはほぼ横ばいの状態であるのに対し、「投資A」「投資B」のグラフはマイナスを示すこともありますが、貯蓄に比べ大きく収益が上回っていました。
 次に、投資に「適したお金」と「適さないお金」についてスライドで確認しました。
「生活に必要なお金」や「近い将来に使う予定があるお金」は投資には適さず、「時間をかけてでも増やしていきたいお金」が投資に適していることが伝えられました。一例として、70歳の人が老後資金として貯めておいた1,000万円を投資し、利益を得ることができず200万円にまで減ってしまったら、生活が困窮してしまうこと、そして前時のローンの授業でも確認したように、投資についても身の丈にあった金額で行うことが大切だということが伝えられました。

 ここで、投資をしたときにお金がどのように働くのか、成功例と失敗例をスライドで確認しました。
 成功例では、投資した企業が開発した新商品が人気を集めて大きな利益を生み、報酬を得ることができました。失敗例では、新商品があまり売れなかったため報酬は得られず、働きに出たお金の価値がマイナスになってしまいました。
 投資によって期待されるリターン(成果)の振れ幅をリスクといい、マイナスに変化することだけを指すものではないことも伝えられました。

 投資を考える際に大切なことは、投資に適したお金や目的を見極めて行うこと、リターンだけでなく、リスクについても考える必要があるということが分かりました。

 次時は、投資の疑似体験を行うことが伝えられ、授業は終了しました。