平成30年9月7日(金)13:10~14:00

兵庫県立姫路商業高等学校 商業科(1時間目)

 銀行の仕組みを中心に、資金がどのように世の中を回っているのかを理解することで、経済全般の知識を習得すること、また家計管理やローン、投資の知識を得ることで、今後の人生を豊かに送るための生活設計を理解することを目的とした授業が実施されました。

 本時は、銀行の三大業務である「預金」、「貸出」、「為替」の業務について理解するとともに、銀行のビジネスモデルである間接金融の仕組みを理解する授業で、4~5人1班になってグループワークに取り組んでいきました。

 はじめに、1学期に学習した銀行の三大業務について振り返りを行いました。
 先生が「銀行の三大業務は何でしたか」と確認してみると、生徒からすぐに「預金、貸出、為替」と正答が出ました。続けて「では、為替とはどのような業務ですか」と尋ねてみたところ、すぐに答えられる生徒はいませんでした。そこで、あなたと銀行のかかわり映像教材「動画で学ぶ銀行の仕事」を視聴して、銀行の三大業務の具体的な内容を確認していきました。為替の代表的なものは「振込」で、現金を移動させることなく、代金の支払いなどの決済を行う業務ということが分かりました。

 次に、預金と貸出の関係について考えていきました。
 預金は、今すぐに使わない余裕資金を個人や企業などが銀行に預けているお金で、銀行はこの預金を元手にして、お金が必要な個人や企業などに貸出を行っていることを確認しました。銀行などの橋渡し役を挟んだ資金の融通を「間接金融」、株式や債券などでお金を集めることを「直接金融」といい、前者と後者では、お金の流れなど様々な点で違いがあることを確認しました。
 ここで、銀行がどのようにして利益を得ているのか考えていきました。先生からは、1年生のビジネス基礎で学んだ「販売価格」、「仕入原価」、「利益率」と同じように考えるとスムーズだというアドバイスがあり、販売価格を貸出金利、仕入原価を預金金利と考えると、貸出金利は預金金利よりも高くないと利益が出ないことが分かりました。実際にある信用金庫の自動車ローンと定期預金の金利を調べてみたところ、自動車ローンの金利(変動金利)は2.8%、定期預金の金利(固定金利)は0.01%でした。金利は同じ種類の金融商品でも金融機関によって異なり、また常に一定ではないので、お金を預けたり借りたりする場合には、比較検討することが重要であることが先生から伝えられました。
 続いて、銀行は社会にとってどのような役割を果たしているのか考えていきました。
 「貸出を受けた企業は、どんなことができるだろうか」という設問について、各班で話し合った後、発表していきました。ある班の「カラオケ店であれば、新しいカラオケ機種を導入することで売上げをアップすることができる」という発表に対して、先生から「それは〇〇投資というけれど、〇〇に入る単語は」という問いがありましたが、生徒はすぐに「設備投資」と正答を出すことができました。

本時の授業をとおして、銀行は預金と貸出によりお金の橋渡し役をしていること、銀行は預金金利と貸出金利の差で利益を生み出していること、お金を借りた企業が新しい商品やサービスを提供できるようになることで、豊かな社会をつくる役割を担っていることが理解できたようです。

 次時は「ローン」について学習することが伝えられ、授業は終了しました。